「お客様の声」をWordPressに載せる——プラグインを足さず標準ブロックだけで作る
「WordPress お客様の声 プラグイン」で検索すると、レビュー系プラグインの比較記事がずらりと並びます。星評価が付く、フォームから投稿してもらえる、スライダーで自動再生する。機能表を眺めているうちに、どれを入れるかで半日が終わります。
けれど、載せたい声が5件か10件で、月に1件か2件増える程度なら、そのための道具はもうWordPressの中に入っています。この記事では、追加のプラグインを1つも入れずに、標準のブロックだけで「お客様の声」のセクションを組む手順をまとめます。あわせて、作ったセクションを他のページでも使い回す方法と、どこまで来たらプラグインに切り替えるべきかの分かれ目にも触れます。
画面の文言は2026年7月時点の日本語版のものです。ブロック名は日本語UIの表記で書き、はじめて出てくるときだけ英語名を添えます。
プラグインを増やす前に考えたいこと
小さなサイトでプラグインが1つ増えると、増えるのは機能だけではありません。
- 更新のたびに、テーマや他のプラグインとの相性を確かめる手間が増える
- 表示のためのCSSやスクリプトがページに乗る
- 使わなくなったとき、投稿したデータがどこに残っているのか分からなくなる
- そのプラグインの更新が止まったとき、載せた声ごと作り直しになる
最後の項目がいちばん重いところです。声のデータをプラグイン専用の形で持たせると、乗り換えのときに移し替えが要ります。標準ブロックで組んだ声は、ページの本文のなかに普通の文章として残るので、テーマを変えても中身はそのまま残ります。
もちろん、プラグインが正解になる場面もあります。それは記事の後ろで正直に書きます。まずは、追加ゼロでどこまでできるかを見てください。
使うのは標準ブロック5つだけ
「お客様の声」を組むのに要るブロックは、次の5つです。どれもWordPressに最初から入っているので、インストール作業はありません。
- 引用(Quote)——声を1件分、名乗りごと入れる
- カラム(Columns)——声を2〜3件、横に並べる
- グループ(Group)——セクション全体を背景色や余白でまとめる
- メディアとテキスト(Media & Text)——写真と声を左右に並べる
- カバー(Cover)——セクションの見出し帯に背景を敷く
補助として、見出し(Heading)・段落(Paragraph)・画像(Image)・区切り(Separator)も使います。
ブロックを足すときは、編集画面の左上にある「+」(ブロックインサーター)を開いて、名前で探すのが確実です。
1件分の声は「引用」ブロックで組む
引用ブロックには、本文の欄と、その下に「引用元を追加」という欄があります。この2段構えが、そのまま「お客様の声」1件分の形になります。
- 本文の欄——声そのもの
- 引用元の欄——名乗り(A様・30代・ご利用メニュー など)
引用ブロックを追加して本文を打ち、下の「引用元を追加」をクリックして名乗りを入れる。それだけで1件が出来上がります。声のなかの一言を見出しとして立てたいときは、本文の先頭行をツールバーで太字にしてください。掲載文そのものの型は例文の記事にまとめてあります。
見た目は、設定サイドバーのスタイルで切り替えられます。標準では線などの装飾が入ったスタイルと、装飾を落とした「プレーン」の2つがあり、テーマによってはこれに独自のスタイルが足されます。声が5件並ぶページでは、線の無い「プレーン」のほうが軽く見えることが多いです。
ツールバーの変換メニューから、引用ブロックは段落・カラム・グループ・プルクオート(Pullquote)に変えられます。1件だけ強く見せたい声があるなら、プルクオートに変換すると本文より目立つ扱いになります。ただし多用は禁物です。全部を目立たせると、何も目立ちません。
3件を横に並べる——カラムブロック
声が3件そろったら、縦に積むか横に並べるかを選べます。横に並べるのがカラムブロックです。
追加すると、まずレイアウトの候補が出ます。1カラム、50:50、33:66といった割合から選ぶ画面です。ここで「スキップ」を選ぶと50:50の2カラムから始まります。列の数は、あとから設定サイドバーで1から6の範囲で変えられます。
3件の声を並べるなら3カラムにして、それぞれの中に引用ブロックを1つずつ入れます。カラムの中には他のブロックを自由に入れられるので、画像・見出し・引用を積み重ねた「カード」を3つ作ることもできます。
スマホでの見え方は、設定サイドバーの「モバイルでは縦に並べる」で決まります。これは既定でオンになっていて、画面が狭いときは横並びをやめて縦に積みます。特別な理由がなければ、オンのままにしておいてください。3カラムを横並びのまま維持すると、スマホでは1件あたりの幅が指1本ぶんほどになり、読めなくなります。
各カラムの中身は、既定で高さいっぱいまで広がる設定(「埋めるように拡張」)になっています。カラムごとに背景色や枠線を付けたとき、文章の長さがばらばらでもカードの高さがそろうのはこのためです。
写真を添えるなら「メディアとテキスト」
顔写真や、仕上がり・納品物の写真がある声には、メディアとテキストブロックが向いています。画像(または動画)とテキストを左右に並べるためのブロックです。
設定サイドバーで押さえておきたいのは次の4つです。
- メディアの幅——画像が占める割合。15%から85%の範囲で決められます
- モバイルでは縦に並べる——カラムと同じ考え方。スマホでは画像が上、文章が下になります
- 画像を切り抜いて調整——写真の縦横比がそろっていないときに、枠いっぱいまで広げます。どこを中心に切り抜くかは焦点ピッカーで動かせます
- 代替テキスト——画像の説明。読み上げソフトを使う人に、何の写真かを伝えるところです
写真がそろっていない状態で無理にこの形にすると、写真がある声だけが特別扱いに見えます。全部そろえるか、写真は使わず引用ブロックで統一するか、どちらかに寄せたほうが落ち着きます。
セクションごとまとめる——グループとカバー
声を並べただけでは、周りの本文に埋もれます。ここで効くのがグループブロックです。
グループブロックは、複数のブロックを1つのまとまりにして、背景色・枠線・余白をまとめて付けられます。すでに置いてある見出しとカラムをまとめたいときは、それらを選択してからグループ化すれば済みます。まとめ直したくなったら「グループ解除」で戻せます。
やることは3つだけです。
- 「お客様の声」という見出しブロックと、声を並べたカラムブロックを選択してグループ化する
- グループに薄い背景色を付ける
- パディング(内側の余白)を広めに取る
背景色が1段変わるだけで、そこが独立したセクションだと読み手に伝わります。色は強くしないでください。本文の白と見分けがつく程度の薄い色で足ります。
カバーブロックは、背景に色・画像・動画を敷いて、その上に文字を重ねるブロックです。「お客様の声」の見出し帯に店内の写真を敷く、といった使い方に向いています。焦点ピッカーで写真のどこを見せるかを決められ、「最小の高さ」で帯の厚みを、「固定背景」でスクロール時に背景を止めるかどうかを指定できます。
ただし、声の本文をカバーの上に載せるのはおすすめしません。写真の上の文字は、写真の明るさによって読みにくくなります。カバーは見出し帯までにして、声そのものは白い背景に置いてください。
作ったセクションを他のページで使い回す——パターン
ここがいちばん手間を減らせるところです。組み上げた「お客様の声」セクションを、トップページ・サービスページ・料金ページに同じ形で置きたい。毎回作り直すのは面倒ですし、直すときに直し忘れが出ます。
この用途にあたる機能は、以前「再利用ブロック」と呼ばれていました。WordPress 6.3で「再利用ブロック」は「パターン」へ名称が変わり、かつての再利用ブロックにあたるものは「同期」パターンになりました。古い解説記事の「再利用ブロック」という言葉で画面を探しても見つからないのは、このためです。
- まとめたいブロック(グループごとが扱いやすい)を選択する
- ツールバーの三点メニューを開く
- 「パターンを作成」を選ぶ
- 名前を入れる(「お客様の声セクション」など)
- 「同期」をオンにする
- 作成する
以後は、ブロックインサーターのパターンから同じ名前を選ぶだけで、どのページにも同じセクションを置けます。同期パターンは、1か所を直すと使っているすべての場所に反映されます。声を1件入れ替えたら、置いてある全ページが同時に新しくなる、ということです。
作ったパターンの編集・削除は、三点メニューの「パターンの管理」から行えます。削除すると、使っていたすべての場所から消えるので気をつけてください。
そのページだけ中身を変えたくなったときは、パターンを切り離します(以前は「通常のブロックに変換」と呼ばれていた操作です)。切り離すと、そのページの分だけ普通のブロックに戻り、他のページには影響しません。
なお、作成のときに「同期」をオフにすると、非同期のパターンになります。こちらは挿入したあと各ページで自由に直せる雛形です。「枠組みは共通、載せる声はページごとに違う」という運用なら、非同期のほうが合います。
- 同期——全ページで同じ声を見せたい。1か所直せば全部が直る
- 非同期——レイアウトだけ共通で、載せる声はページごとに選ぶ
それでもプラグインを入れたほうがいい場面
標準ブロックで足りなくなる境目は、機能ではなく件数と手間で決まります。次に当てはまるなら、プラグインを検討する番です。
- 件数が数十件を超えた。手で並べ替える、古い声を下げる、といった作業が現実的でなくなる
- お客様自身に書き込んでもらいたい。標準ブロックには投稿フォームの機能がありません
- サイト上で絞り込みや並べ替えをさせたい。「サービス別に見る」「新しい順に見る」をページ内で切り替えたいなら、声をデータとして持つ仕組みが要ります
- 複数の人でサイトを更新している。誰が触っても崩れない入力欄が要るなら、ブロックの直接編集は事故のもとです
判断の目安は「先月、声まわりの更新に何分かかったか」です。10分以内で終わっているなら、標準ブロックのままで足ります。入れると決めたら、比較のために複数を同時に有効化するのは避けてください。まずは1つだけ試し、合わなければ消す。テスト環境があるなら、そちらで確かめてから本番に入れるのが安全です。
どのプラグインを選ぶ場合でも、元の声のテキストは手元にも残しておいてください。
まとめ
- 声が10件程度で月に1〜2件しか増えないなら、追加プラグインは要らない
- 使うのは引用・カラム・グループ・メディアとテキスト・カバーの5つ
- 1件は引用ブロック。本文と「引用元を追加」の2段構えでそのまま形になる
- 横並びは3件まで。「モバイルでは縦に並べる」は既定のオンのままにする
- セクションはグループでまとめ、薄い背景色と広めの余白を付ける
- 使い回しは「パターン」。再利用ブロックはWordPress 6.3でパターンに名称が変わり、旧・再利用ブロックにあたるのが「同期」パターン
- 件数が数十件を超える、フォームから集める、サイト上で絞り込む。ここまで来たらプラグインの出番
標準ブロックで組めば追加の道具は要りませんが、代わりに声を1件足すたびに編集画面を開くことになります。その手間ごと引き受けるツールとして、コエカベを準備しています。日本語で使えて定額の「お客様の声」ツールを目指し、事前登録を受け付けています。先行リリースの案内はこちら。
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